プロジェクト概要

月周回衛星「かぐや」のイメージ<br/>
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月周回衛星「かぐや」のイメージ

「かぐや(SELENE:セレーネ)」プロジェクトは、JAXA (宇宙航空研究開発機構)様、国立天文台様、ならびに各大学機関、各衛星・観測機器メーカが集結して実施された日本初の大型月探査プロジェクトです。アポロ計画以来最大規模の本格的な月の探査として、各国からも注目されました。

 

プロジェクトは、謎の多い月の起源と進化を解明を目的とし、開発、各種検証、試験期間を経て、2007年9月14日、月周回衛星「かぐや」が種子島宇宙センターからH-ⅡAロケット13号機で打ち上げられました。

 

打ち上げ後、約2年にわたり、「かぐや」は月表面の元素や鉱物、地形と表面付近の地下構造、磁気異常、重力場などの観測を行い、その観測データは、科学的に高い価値を持つと同時に、将来の月利用の可能性を見据えた貴重な情報となっています。

 

月の裏側をつなぐリレー衛星「おきな」搭載アンテナ

「かぐや」プロジェクトのなかでも、特に「月の裏側」の重力場の解析が大きなミッションでしたが、本衛星である「かぐや」が月の裏側にいる時、地球局と通信ができないという課題がありました。その中継点としてリレー衛星「おきな」が開発され、当社はこの「おきな」に搭載されたアンテナを開発しました。

 

「おきな」に搭載された当社開発アンテナは、小型・軽量・低姿勢な平面型であり、円偏波という衛星通信に必要な電波を送受信し、地球から月までの長大な距離(38万km:光の速さによる到達時間1.27秒)において、地球局と本衛星「かぐや」を結ぶという重要な役割を担いました。

本衛星「かぐや」から分離されるリレー衛星<br/>「おきな」のイメージ<br/>
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本衛星「かぐや」から分離されるリレー衛星
「おきな」のイメージ

苛酷な宇宙環境にも耐えるアンテナ

地球上と違い、宇宙空間は温度の急激な変化、電子線・ガンマ線などの放射線、真空中での様々な物理的現象があり、非常に苛酷な環境です。特にアンテナは衛星構体の外側に露出している事から、電気的性能だけでなく機械的・熱的環境性が大きく問われました。

 

開発されたアンテナに考え得る限りの苛酷な試験を行い、真空中における太陽照射と影の温度差、「おきな」月食時のシミュレーション温度、ロケット打上げ時の急加速に耐えうる構造など、宇宙環境ならではの厳しい耐環境性試験をクリアし、無事にミッション完了に貢献することができました。

「かぐや」上部に設置された「おきな」
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「かぐや」上部に設置された「おきな」
JAXA様から頂いた感謝状
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JAXA様から頂いた感謝状

なぜ日本アンテナが選ばれたのか?

「かぐや」プロジェクトに当社アンテナが採用されたのは、JAXA(旧NASDA)様が、2002年に打ち上げた中軌道小型衛星「マイクロラブサット(μ-LabSat)」に搭載された当社アンテナへの評価がきっかけです。

 

当社はこれらプロジェクト以外でも、JAXA様および関連衛星開発企業様の小型衛星へ搭載されたアンテナの実績があり、高いノウハウと技術力を有しています。

 

民間企業による衛星搭載観測機器の開発と実運用上の成功は、今後の宇宙開発における低コストでの技術向上の基盤となり、宇宙開発事業の推進を加速させることにつながります。

 

当社においても、設計開発経験と知見の高まりにより技術力の革新要素が生まれ、優れた製品開発とさらなる信頼性向上に寄与できると考えています。

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